水曜日, 12月 28, 2016
感想文 : book report summary
4月あたりから、精力的に読書をして、50冊ちかく読んできた。
ということで、ことし1年の総括的に感想文。
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司馬遼太郎 関連
「菜の花の沖」全6巻
淡路島時代の在所と浦の関係がよくわかった。
また、未開拓時代の北海道について詳しくなった。
ロシア側に拿捕される話に至る前に、ロシア事情の記述が
ことのほか長かった。まぁ、勉強になったのだが。
日本に帰国して亡くなるまでの人間模様がすくなかった。
連載締め切りなどの分量に縛られている感あり。
「故郷忘れじがたく候」
九州南部のー地域 と、秀吉時代の朝鮮半島をつなぐ
長い歴史をよみとくことができた。
「最後の将軍」
慶喜は賢いのか、賢くないのかがよくわからない。
大阪から船で江戸に逃げ帰るあたりは、小心者感が半端ない。
余生は充実した日々のようだが。。。
「馬上少年過ぐ」
いくつかの短編があってよみやすかった。
地方の名のない一兵卒や、偉人についてフィーチャーする記述が多くあり興味深い。
「戦国の女たち」
ファンタジーてきな要素もあるが、史実からくる時代背景はしっかりしてるので、情景を思い浮かべやすい。
「酔って候」
NHKの大河ドラマで、福山雅治が坂本龍馬をやってたとき、
山内容堂は、近藤正臣がやってた。
なんだか、そのイメージの延長で読んだ。
「項羽と劉邦」全3巻
中学生の頃に十八史略を読んでいたが、いろんな記憶の残骸という点が
線となって繋がった。
線から面にするには、他の作家の作品を読まねば。。。
「街道をゆく」34(大徳寺散歩、 中津、宇佐のみち)
大徳寺の方は、宗教学記述がむずかしすぎてわからなかった。
中津、宇佐の道については、黒田官兵衛などの話と連座して読みやすかった。
「播磨灘物語」全4巻
いまんとこ3巻まで読破 (2016/12//28) 。
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陳舜臣
「ものがたり史記」
上記の「項羽と劉邦」同様に、いろんな記憶の糸をたどれた。
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吉村 昭
「敵討」
いぜん、テレビドラマにもなってた話。
維新をまたごえた、敵討ち。実に興味深い。
「三陸海岸大津波」
東日本大震災を再考する、大きな資料だと思う。
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吉川 英治
「黒田如水」
荒木村重の有岡城に幽閉されていた際の本人と周囲の
人間模様。
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城山三郎
「鼠 --- 鈴木商店焼き討ち事件」
小説というより、調査報告的な記述。
ただ、いろんな人間模様がみてとれる。
「気張る男」
松本重太郎の一生を描いた作品。
本編もさることながら、解説を寄稿した佐高信氏の記述で
「日本長期信用銀行(現新生銀行)の頭取だった杉浦敏介は、
長銀をメチャメチャにした張本人なのに「悉皆出す」どころか、
九億円もの退職金を「しっかり取ることにした。」
とあり、清々しい文筆っぷりをみた。
「落日燃ゆ」
説明の必要は無い、名作。
為政者はこの本を一読しといた方がいいと思う。
彼の
風車 かぜが吹くまで 昼寝かな
の句は、人生背景を考えると、なかなか乙な句かと。
「指揮官たちの特攻」(幸福は花びらのごとく)
上述の鈴木商店のように、報告書的な記述。
一見統率がとれてそうな、海軍兵学校でも、終戦後、
剣で、野良犬たちを殺していく先輩学生の異常性記述をみて、衝撃をうけた。
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古川 智映子
「土佐堀川 広岡浅子の生涯」
ここんとこ、司馬遼太郎ばかりよんでるので、
この作品を読んだとき、ライトノベル的な物語の進行を感じた。
ただ、広岡浅子の人生を知る上では、おもしろい読み物。
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宮尾 登美子
「仁淀川」
宮尾登美子作品をこの本から読み始めたために、
本人の自叙伝的なものと知らなかった。
有吉佐和子の「紀の川」と勘違いして買った。
「仁淀川」というタイトルのわりに、河川がさほどフィーチャーされないのは残念。
「春燈」 「櫂」
それぞれ、どっちが、物語として先かわすれたが、
上記の「仁淀川」の上流にあたる話。
作者はこういう環境でそだったのかぁ。。。というのがよくわかった。
また、当時の学制がよくわかった。
高等小学校だの、尋常だの。。。
「寒椿」
上述の作品同様、宮尾登美子の世界観がよくでた作品。
芸者人生の4分岐(4人の人生)を短編的に読める。
「陽暉楼」
じつは、この作品は途中で完読するのを諦めてしまった。
宮尾登美子の芸者文化記述に飽きてしまったというのもあるし、
五七調の文体が、単調すぎて、僕のリーディング周波数にあわなかった
(脳みそで拾い上げる周期)。
五七調のようだが、1つ1つの文章が長くて、区切っての噛み砕きが難しい。
テレビで、五社英雄の映画をやってたのだが、原作をみないことには。。。
とおもって、ほったらかし。
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新田次郎
「芙蓉の人」
NHK で佐藤隆太がドラマでやってたので、情景のイメージがしやすかった。
こういった、明治の人たち(夫婦)の努力が近代国家をつくっただんだんなぁ。。。
とおもった。
「剣岳(点の記)」
こちらも、浅野忠信の映画で情景をつくってしまって読んでしまった。
この作品については、ラジオで、浜村淳がオチをしゃべってた(知ってしまった)ので、
ちょっと 残念。
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井上 靖
「天平の甍」
実家の本棚にあったが、読まずじまい。
数十年のときを経て、トライ。
年取っても、この作品は難しい。
なにが難しいって、当時の歴史用語(官位、役職名、地名、。。。。)。
本の備考記述を巻末におかずに、各ページの脚注にすべきだと思う。
難しさはあったものの、人間ドラマは、大いに感じ取れた。
「おろしや国酔夢譚」
司馬遼太郎の「菜の花の沖」を読み終え、もう一人の漂流者、
大黒屋光太夫を掘り下げたかったので、読んでみた。
司馬作品で、時代背景を予習できてたので読みやすかった。
その後、光太夫記念館へ訪ねたりした。
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東野 圭吾
「秘密」
広末涼子が映画やってたのを忘れてたが、
運命は愛する人を二度奪う という映画サブタイトルがよくフィットした作品。
ファンタジーだけど、スルリとよめた。
「流星の絆」
「白夜行」のような緻密さは無いが、オー・ヘンリーにあるような
アイロニーを感じ取れる作品。
宮藤官九郎の脚本でドラマをやってた(みてない)が、
その背景がチラチラしてしまった。知らない上で読んでも面白かったと思う。
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宮本 輝
流転の海シリーズ(新刊を行入したので、最初から読み直した)
「流転の海」1
「地の星」2
「地脈の火」3
「天の夜曲」4
「花の回廊」5
「慈雨の音」6
「満月の道」7
作者の父親がモデルになってるが、
作者自身が少年から、スレた少年になっていくところを期待しかけている。
僕自身が青年期に読んだ「道頓堀川」や各種短編を思い出しているから。
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山崎 豊子
「大地の子」全4巻
八路軍の包囲戦のことは、歴史の授業で習ってない近代史なので、
非常に、衝撃をうけた。
また、共産党内の政権闘争の内幕と、
中国政府の全面バックアップという執筆活動が
どう共存できたのかが、なぞ。
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村上 春樹
「ノルウェイの森」上下巻
この本を恋愛小説の金字塔的な評価をしてる人がいるが、
そこそこ肩透かしにあった感あり。
個人的には、宮本輝の「錦繍」が恋愛小説の一番だと思う。
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村上 龍
「限りなく透明に近いブルー」
これほど、肩透かしにあった小説はないかもしれない。
村上春樹を読んだから、ついでに村上龍も。。。という、不順な動機チョイスで読んだのがまずかったか。。。。
セックスとドラッグの文章を散りばめただけの作品。
何をいいたいのか、メッセージ性がないなぁ。とおもった(メッセージあっても、伝わらなかった)
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塩野 七生
「ローマーから日本が見える」
厳しい論調の方なのかと、構えて読んだが、
文体は非常に優しい口調。
高校時代の世界史の授業で、記憶はプツリと途切れていたが、
なんとなく、有名なキーワード(五賢帝、エルトリア人、。。。。)などを
思い出せたので、よかった。
また、ローマ人の共和制(元老院との付き合い方)と皇帝リーダーシップ
の話の中に、日本に活かせるエッセンスがたくさんある。
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北 杜夫
「船乗りクプクプの冒険」
少年時代に、途中まで読んで完読できなかった作品。
うちの息子に薦める時期が来るであろうから、自己予習できた。
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およそ50数冊読んでることになってるが、
年間53週と考えれば、一週間に1冊ペース。
3月あたりから、本格的に読み始めたから、平均ペースはもっと上かも。
来年は100冊くらい目標にしたい。
* この一年は、テレビ録画した名作映画も多数チェックしたなぁ。。。
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